ザース

 エニックスのアドベンチャーゲームです。

 最終兵器システム「オリオン」による核攻撃によって壊滅した世界。コールドスリープによって生き残ったわずかな人々が復興しようとするなか、再び「オリオン」を操ろうとする陰謀と戦う、主人公ザースたちの活躍を描くSFアドベンチャーゲーム。

 当時のゲームのレベルからすれば飛び抜けている美麗なグラフィックスに感動した作品でした。さらに本作を制作したスタジオジャンドラのメンバーが高校生だったというのには、本当に驚かされたものです。

 『ザース』といえば、お約束とも言えるのが美少女ミリカの存在です。
 雑誌広告に掲載されたミリカ嬢のアップ画像を見て、本作の購入を決定した方も多いはず。実際、私の友人も二人ほど、それだけの理由で買ってましたっけ。
 しかし期待とは裏腹に、ミリカはオープニングにしか登場しない脇役、というかチョイ役なので、がっかりすることになるのです……。
 ちなみに私の購入動機はミリカではなく、広告に載っていたロボットの絵です。こちらもまた、たくさんロボットが登場するかと思って期待していたので、がっかりしてたりするわけですが。

 しかし、いまだに『ザース』といえばミリカと、まるで代名詞のように語られるキャラクターも珍しいですね。よっぽど恨まれて人気があったのでしょう。
 本来のヒロインであるトラルドを完全に食ってますし。まぁ、ずっとザースのそばにいるわりにはトラルドの存在感は皆無に近いので、ミリカにばかり話題が集中するのは仕方のないことなのですが。

 ゲームの画面数自体は少ないのですが、ユッグの森、アドラ山、マキストン岬といったように地域ごとにマップが分かれているせいか、それほど少なくは感じません。
 受けつけてくれるコマンドの数もそこそこ多いので、いろいろと試す楽しみがあって、全体的なボリュームの小ささもあまり気になりませんでした。なにより、お遊び的な返答のメッセージが用意されているコマンドが結構あるので、ゲームを進行させる以外のコマンド探しが熱いです。

 特にキャラクターに悪口を言ってみたり、いろいろいじってみると愉快なメッセージが返ってきて笑えますね。トラルドを「し○る」のはキホンですか?
 ときどきキャラクターから話しかけられるというのも印象的です。たいした会話ができるわけではないのですが、なかなかに盛りあがる演出でした。

 ゲーム中では断片でしか語られない世界設定をつなぎ合わせただけでも、『ザース』の壮大なストーリーがうかがえます。ただ、そのほとんどが裏設定で終わってしまっているのが残念でした。私的にはBPSの『ムーンストーン』と並んで、かなり続編の発売を期待した作品だったのですが。ええ(笑)。
 (『ムーンストーン』はGB版『ブラックオニキス』に収録予定だったようですが、BPS日本法人閉鎖のゴタゴタで「無かったこと」に……ううっ)

攻略テキストです。プレイできる環境がいまだにある方は、よろしければどうぞ。

88版。中身はすべて同じものです。
確認していませんが、他機種版でも応用可能だと思います。


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