クリスタルプリズン
ボーステックのアドベンチャーゲームです。
外界から閉ざされた孤島の屋敷。記憶を失ったマイク・モローは、その寝室で目を覚ます。最後に覚えているのは何者かに殴られ意識を失ったということと、その犯人が「クリスタル」を探しているということだけ……。
彼の前に現れる妹や友人だと名乗る謎の人物たち。怪しげな刑事や医師。
不審な行動をとり始める彼らの目的は?そして記憶の糸をたぐり寄せるように行動するマイクの行く手に待つ真実とは!?
ボーステックの作品としては、『レリクス』、『銀河英雄伝説シリーズ』などのヒット作に隠れて知名度はあまりありませんが、ミステリーものとしてなかなかの佳作です。
本作の最大の特長は、その自由度の高さでしょう。ゲームの舞台である屋敷内を自由に動き回ることができるのはもちろん、受けつけてくれるコマンドもかなりの数です。
思いつきで入力したコマンドがけっこう通るのには感心させられます。さらにコマンド入力に対して、ウィットのある返答が多いのも見逃せないポイントですね。
記憶喪失の主人公が、さまざまな手がかりをもとに記憶を取り戻し、真相を解明していくのですが、そのあたりの演出が見所です。
香水の匂いを嗅いで、その香水の持ち主のことを思い出したり、薬を飲むことによって眠ってしまい、その夢の中で記憶の一部を取り戻したりと、探索すればするほどに現れる様々な趣向はプレイヤーを飽きさせません。
登場するアイテムの種類も豊富です。すべてがグラフィックスで表示されるので、アイテム探し(集め)の楽しさも味わえます。
ただし問題なのが所持数制限。持つことのできるアイテムの数より、入手できるアイテムの数がはるかに上まわっているので、アイテムの使用には試行錯誤の繰り返しを要求されます。しかもクリアーには必要のないダミーアイテムが多いので、プレイヤーはその取捨選択に労力の大半を費やすことになってしまうのです。
コマンド入力のアドベンチャーゲームにおいてはよくあることですが、「アイテムの多さ=高難度」というように直結してしまったのは、少々残念でした。
アイテムの数も多いのですが、主人公の死にパターン(ゲームオーバー画面)が多いのも素敵です(笑)。撃たれる、刺される、首を絞められる、犬に噛まれる、サメに食われる、二階から落ちるなど、マイクくんの見事な死にっぷりはぜひとも見ておきたいですね。
ゲーム中に伏線と思われるストーリーが語られるのですが、もしかしたら本作が好評なら続編が作られる予定だったのでしょうか?
そういえばタイトルにもなっている「クリスタル」や、それにまつわる黄金伝説とやらについて、ゲーム中ではほとんど説明がなされていません。名前だけ登場するシュタイナー博士やBABYの存在も気になりますね。
当時、アニメ調のアドベンチャー全盛の時期にあって、正統派とも言える作品をリリースしたボーステックには拍手を送ります。
ただ、ウリになる要素が少なかったというか、ユーザーの人気(あるいは購入する動機)につながるような華やかさが無かったことが惜しい作品でした。
下の攻略テキストは、他のテキストよりもクリアーに必要のない行動を多くとっています。単にクリアーするだけでなく、物語を理解できるように作成していますので、ご了承くださいませ。
もちろん触れていない点も数多くあります。いろいろな行動をとってみることをお勧めします。
攻略テキストです。プレイできる環境がいまだにある方は、よろしければどうぞ。
88版。中身はすべて同じものです。
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