THE MAN I LOVE

 シンキングラビットのアドベンチャーゲームです。

 ニューヨークで私立探偵を営む主人公。ベイ・ショアに住む金持ちの未亡人ミズ・マクガイヤに、盗まれた宝石3個と現金1万5千ドルを取り戻すことを依頼された彼は、捜査を開始する。単純な盗難と思われたが、サウスブロンクスで起こった殺人事件の被害者が盗まれた宝石のひとつを握りしめていたことから、事件は思わぬ展開に進んでいくのだった。

 「シナリオにうるさいシンキングラビットが、ユーモラスなキャラクターとちょっぴり泣かせるエンディングを、ハードボイルドに味つけしてお贈りする、ディスクミステリー第4弾」(雑誌広告より)。

 『カサブランカに愛を』と同様のモノクロでシンプルなグラフィックスに、アメリカンコミックスを思わせるデフォルメされたキャラクターデザイン。アニメ調のグラフィックスが多数を占めていた当時のアドベンチャーゲームの中にあって、本作は非常に洗練されたイメージのあった作品でした(タイトルもカコイイ!)。

 でかっ鼻に三頭身半(くらい)というキャラクターこそユニークですが、主人公はまさにハードボイルド。
 帽子にトレンチコート姿。コルト45を携帯し、ラッキーストライクにはジッポで火をつけ、コーヒーにはオールド・フレスターをたっぷりと注ぐ。そして、もちろん愛読書はチャンドラー。
 こうした細かな設定にもこだわりが感じられ、作品の脇をかためています。

 肝心の事件のほうもハードボイルドなだけあって、一筋縄ではいきません。普通に捜査をしているだけでは駄目で、時には荒っぽい方法でくぐり抜けなければならない場面があったりするのも面白いですね。
 「ハリコム」や「ビコウ」などといった独特なコマンドも、探偵ものならではです。
 ゲームとしてやや盛りあがりに欠けるのと、ストーリーにもう一ひねり欲しいというところが残念ですが、80年代のゲームソフトとしてみれば十分に及第点をあげられるのではないでしょうか。

 難易度はやや高め。全体的にはサクサクと進めることができますが、たまにハマるところがあったり、暴力行為の使いどころが難しかったりします。まぁ、セーブして総殴りでなんとかなったりするんですが(間違っても警官を殴ったりしないように……)。

攻略テキストです。プレイできる環境がいまだにある方は、よろしければどうぞ。

88版。中身はすべて同じものです。
確認していませんが、他機種版でも応用可能だと思います。


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